旅の思い出4「いろんな意味で記憶に残った宿」

山陰旅行④

…今回はまず、公開する写真が無い事をお詫びしたい。
島根県松江市を出た我々は、…というか運転手の私は、今夜泊まる宿が決まっていない事を車中で明かされた。今回の旅のプランは、メンバーのKが「ここに行きたい」という希望だけを挙げ(プランとは言えないが)、もう1人のメンバーYが地図からルートを割り出すという分担で実施されている。つまり私は次の目的地を漠然としか把握していない。…私の頭に車中泊でなかなか寝付けない自分自身の姿が浮かんだ。しかし事態は好転、Kがスマホで鳥取県のビジネスホテルを数件検索し、その内の1件の予約を即座に取った(後で分かった事だが、この時の宿の選定基準は値段の安さ、これのみ)。私は安堵すると共に、この行き当たりばったりな旅に呆れ果てていた。鳥取県内で食事をとり、ビジネスホテルに着いたのは夜10時を廻った頃だった。
予約出来た部屋は3人部屋1部屋のみで、男女3人連れが同じ部屋に泊まるのは倫理的問題があるように思われるだろうが、メンバーの誰も気にしなかった(もちろん私も)。その時の私は一刻も早くこの寝不足の頭を枕に沈め込みたかったし、他のメンバーも同様の考えだったに違いない。フロントで話を聞くと大浴場(男風呂)もあるという…私は部屋に荷物を置くと、真っ先に大浴場に向かった。メンバーのKは、明日は夜明け前から鳥取砂丘で写真が撮りたいと抜かしてるし、…否、Kが何を言おうが、明日朝早かろうが遅かろうが、その夜の私には風呂に入って寝る事しか頭に無い。故に、向かっている大浴場には純粋に心躍った…しかし、扉を開けて貸し切りの浴場を見た私は愕然とした。風呂場の広さは一般家庭のそれと何ら変わらない広さで、浴槽も私一人が入れば一杯になる…
…ここで一言語りたいのだが、ネットという公共の場で、なんであれ誹謗中傷する事は私の主義に反するし、可能な限り避けるべきだと考えている…が、今回ばっかりは一言云わせていただきたい……これは“大”浴場とは云わない…“大”を付けるな!!
…今にして思えば私の期待も過剰だった気もするが、その時の私の頭の中は「騙された!」の言葉で満ち満ちていた。風呂に絶望した私に出来る事は、もはや眠る事しかない。さほど広くない部屋に、二段ベッドの各段を分割して並べたような(というか、間違いなくそうだ)ベッドに一般家庭風の寝具(枕には銀行でもらったタオルが巻かれていた)が施され、風呂場といい、ベッドといい、“◯◯くん家にお泊まりに来た”感が満載であった。まさか旅先で“◯◯くん家にお泊まりに来た”感を体感出来るとは夢にも思わなかった。とは言えこの時の私の欲求はただただ眠る事であり、思い返せば昨晩からろくに眠らずにこの鳥取県まで来ている。それに車中泊に比べたら天と地の差だ。…今は全てを忘れて眠ろう…そう思って目を閉じた。…無論、その後の記憶は無い。
翌朝、夜が明ける前に宿を出た。鳥取砂丘に向かう車中で私が昨夜の宿について↑のようなツッコミを入れると、メンバーは「男のクセに」とか「細かい」とか揶揄してきた。しかし、やはりツッコむべき状況にはツッコむべきだと私は考える。…という、下らない話をしている内に鳥取砂丘に到着した。まだ明けぬ鳥取砂丘は、真の闇だった…


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