旅の思い出9「大根島そして圧巻の由志園」

山陰旅行-アゲイン-③

フォーゲルパークを後にした我々の次の目的地はそう遠くない場所にあった。トラブル続きの我々の旅で、予定時間より早く到着したのも今回が初めてかも知れない。宍道湖を越え、島根県にポッカリ空く2つ目の穴・中海、その真ん中に浮かぶ大根島が次の目的地だった。この大根島(本当にだいこんじまと読む)にある由志園の紅葉ライトアップが次の我々のターゲットだった。事前の情報では個人が少しづつ造園を重ねた庭園と聞いていた…前回の山陰旅行では締めくくりにとっとり花回廊に立ち寄ったが、私は花回廊に着くまで定年後のオッサンが趣味で始めた造園とガーデニングを公開する小規模のテーマパークと勘違いして現実とのギャップに度肝を抜かれたが、この由志園こそ、島根県在住の源さん(仮名)が定年後に拾って来た石を自宅の庭に配置し趣味の骨董なんかも乱雑に配置した「探◯ナイト◯クープ」では“パラダイス”と呼ばれてしまう類いのものだろうと(勝手に)確信した。むしろ、“パラダイス”のライトアップに非常に興味をそそられた。
しかし、私の(無意味な)期待はまたしても覆された…

由志園のライトアップ

…再び度肝を抜かれた。
その規模の大きさにも驚かされたが、何より木々や池や石の配置に繊細な心配りがなされている点に驚いた。人間が作った物でこれほど完成された物は滅多に見れるモノではないと感じた。こういう場所に来ると我々メンバーは各自目付きが変わり、単独行動に入る。各々三脚を据えて“夜景撮影モード”に入るのだ。私もまた眼前の絶景を切り取るべく、三脚を据えた…が、
…私は我が目を疑った…カメラのバッテリー残量があと1目盛りしか無いのだ!昼間のフォーゲルパークで調子に乗って撮り過ぎていたし、何より今回(も)出発前に慌てて仕事をかたずけたために自宅でバッテリーの充電が充分に出来ていなかった。…私は目の前が真っ白になった。こんな素晴らしい庭園、それも美しく照らし出された紅葉を前にそれを記録する手段がスマホだけになろうとしていたのだ。ショボイなりにもカメラマンを名乗る以上それは許せない。それに紅葉ライトアップは今しかない、この機を逃せば来年まで先延ばしになる。来年再びこの素晴らしい庭園を訪れる保証はない。今はバッテリーの電力が尽きるまで撮りまくるしかない…
…結局広大な庭園の入り口付近を数カット撮って私のカメラは沈黙した。ショックだった。Panasonic(私のカメラのメーカー)を告訴しようか本気で考えた…八つ当たりだが。
その後、嬉々として庭園を撮りまくるメンバーを尻目に私は素晴らしい庭を“目”で見て廻った。…今にして思えばそれが普通の観覧だと思うが、カメラが自分の目のように思えてしまう我々のような人種には“記録不可能”は酷過ぎる。…まあ、自業自得だが。

余談だが、この日の宿は(珍しく)まともなビジネスホテルだった。前回の(旅の思い出④)ような楽しい(?)宿ではなかったので特に記す事はしない。ただ、この夜は悔しくて眠れなかった事は言うまでもない。明日も夜明け前の出発だ…


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