旅の思い出14「夜のとっとり花回廊❷」

山陰旅行-完結編-③

この、とっとり花回廊に到着してからどれくらいの時が流れただろうか…
前回の山陰旅行でこの地域の晩秋の寒さはある程度経験済みだったが、冬の山陰の実力がこれ程までとは計り損ねていた。前回の旅でも着用していたヒートテックインナー(下半身)をあざ笑うように、足下からジワジワと冷たさが伝わってくるようだった。「雨は夜更け過ぎに〜雪へと変わるだろ〜」と山◯達郎が歌い出しそうな天気と状況の中、カップルはまるで寒さを感じていないかのようで、メンバーK(通称:カップル・スナイパー)はそんなカップル達を望遠レンズ越しに“狙撃”している。

とっとり花回廊⑤

…そんなシュールな時間は過ぎ、いよいよ花回廊を出る段になって我々は驚愕した。駐車場に止めていた我々のレンタカーが雪で覆われ、白くなっていたのだ。今夜の宿は米子のビジネスホテル、道程は長い。
…またしても私の頭に「今度こそ死ぬかもしれない」という言葉が浮かんで来た。
実のところ、この時期の山陰が雪深いであろう事は折り込み済みだったので、今回借りたレンタカーは(貧乏ケチケチ旅行の我々にしては奮発して)スタッドレス付きのRV車にしていた…が、私は過去にスタッドレス・タイヤで雪に埋まって立ち往生した経験があったのでハナからスタッドレスの実力などあてにしていなかった。(当たり前だが)スタッドレスであっても滑る時はスベる。しかもとっとり花回廊から国道までは下り坂…旅の初日に一番の難所を迎えていた…

命からがら難所を越え、ホテルに着いたのは夜11時を廻った頃だった。予約よりずいぶん遅れてしまった我々にホテル・アジェンダのスタッフさんは親切に接してくれ、駐車場に車を止める時にもみぞれが激しく降る中傘もささずに案内をしてくれた。このホテルに到着するまでが身の危険を感じる道程だっただけに、スタッフの対応には胸が熱くなった。元々女性専用ホテルだったらしく、今でもスタッフは全て女性で経営されているそうだ。そのまま女性専用ホテルだったら、私だけそのまま車中泊になるところだった…
ちなみにこのホテルをネットで検索したのはメンバーKで、選定基準は無論安さだ。素泊まりでシングル¥2,980〜は格安だ。安いからといって、第一回山陰旅行の絶妙な宿(旅の思い出④参照)のような“手作り感”は無いし、まともなビジネスホテルだ。素泊まりで問題ないなら充分過ぎる値段だと思う。経験者として胸を張ってお勧め出来る。…興味本位で鳥取県の微妙な宿(旅の思い出④参照)に泊まってみたい方はこっそり場所をお教えしよう…
自分の部屋に落ち着き風呂上がりに窓の外を覗くとホテルの前の道路がまるでシャーベットを敷き詰めたかのように白くなっている。明日は山口に帰らなければならない。私は、明日の朝窓の外を見るのが恐ろしい気がしていた…


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