旅の思い出16「帰り道、しまね海洋館アクアスへ」

山陰旅行-完結編-⑤(最終回)

今回を含めて3度も訪れた山陰であったが、こうして文章で振り返ってみると上手くいかない事や願望通り進まない事が却って(紀行文として)面白い旅になったとつくづく感じる。当時の私は本気で泣きそうだったが…

島根の海

境港で朝昼兼用のブランチを摂った我々がそのまま真っ直ぐ山口に帰るはずも無く、我々は当然のようにしまね海洋館アクアスへ立ち寄った。途中、メンバーKの趣味である「道の駅巡り」に付き合いながら、またしても我々の帰り道だけ顔を出す太陽と青空を眺めながら湾岸の国道を走り続けた。おそらく他に良い道が無いのだろうが、この国道がやたらと混んでいて、我々がアクアスに到着したのは午後3時半を廻った頃だった。閉館時間は午後6時…またしても駆け足の観覧である。

アクアスの魚たち①

以前からこの水族館の話は耳にし、水族館好きな私としては1度訪れてみたいと考えていた場所だっただけにゆっくり観覧したかったが、今回もレンタカーを返却する時間が迫っている。閉館時間まで観覧していては山口で車を返却する時間に間に合わない。我々は気合いを入れ、短時間で全ての施設を見る覚悟で向かった。
私が水族館に惹かれる理由は、普段の日常では目にする事が出来ない海洋生物の多様さの一部を観察出来るからだが、朝の境港で日本海の魚を食べ逃した私には水槽で泳ぐ魚たちが旨そうな“ネタ”にしか見えなかった。

アクアスの魚たち②

…流石にクラゲまで「旨そう」とは思えなかったが、このような奇妙な形態の生き物が無数に存在する海の世界には純粋にロマンを感じる。このアクアスで最も感動したのが、ペンギンたちが泳ぐ姿を下から眺める事が出来るペンギン館の水槽だ。水の中をロケットのように、まさに“飛ぶ”ように泳ぐペンギンたちを見上げる経験は中々出来るものでは無い。我々は時が過ぎるのも忘れてペンギン館の水槽に釘付けになった…が、本当に時が過ぎるのを忘れていた我々は、閉館時間が迫っている事に気付かなかった。

アクアスのペンギン水槽

不思議なモノで写真や動画を撮影していると、集中しているからか時間の経過を感じない。我々は閉館時間を告げる館内の音楽でようやく我に返った。実は他にも当館のアイドル・白イルカを見ていない…我々は駆け足で施設を巡った。我々が受付フロアまで戻った時には当然閉館時間を過ぎており、受付嬢を始めアクアスのキレイどころがズラッと一列に並び、我々を見送る準備をしている。更にコインロッカーで手間取ってアクアスのキレイどころを待たせてしまった我々は、気まずさで顔を上げる事も出来ずコソコソと施設を出た。いつもの事だが、申し訳ない気持ちで一杯だ。
アクアスの閉館時間午後6時を過ぎて施設を出た我々は、次のタイムリミットに追われる事になる…レンタカーの返却時間だ。本当は午後5時くらいには帰路につかねば間に合わないはずが、閉館時間一杯までアクアスに居てしまった為に帰りの移動時間が極端に短くなってしまった。当然、帰りの高速道路上が正に“高速”だった事は言うまでもない。
…こうして3度に渡り巡った山陰旅行であったが、山口県から車で行ける距離にあるにも関わらず私自身が知らなかった名所が無数にあった事に純粋に驚いた。翻って私は、私が住んでいる山口県に関してもまだまだ知らない名所が多くあるであろう事を思い、反省しなければならいと感じた。まずは私が暮らす山口県について誰よりも詳しくなろうと思う。出不精で面倒臭がりの私にこんな機会を与えてくれたメンバーに素直に感謝したい…が、正直山陰はもう“お腹いっぱい”である。山陰に暮らす方から言わせればまだまだ見るべき名所が残っているのかもしれないが、このメンバーで山陰を巡る、否、このメンバーで旅をするのはもうお腹いっぱいだ。いつもの事だが、「次こそは断る」と胸に誓い、私は山口での日常に戻るのだった…


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