旅の思い出17「津和野への初詣」

番外編①

前回3度に渡り山陰を巡った我々が、山陰旅行の“締め”として訪れた…ワケでもないが、普通に初詣として訪れたのが山陰の小京都と言われる津和野だった。津和野は山口県と島根県の県境にあり、他県の人間は津和野が山口県内だと思っている人間も少なくないようだ。私自身、幼い頃から初詣にこの津和野を訪れていたので津和野が島根県だと認識したのは高校生になってからだ(遅過ぎて申し訳ない)。日帰りで充分に行って帰れる距離なので旅行と呼べるかどうかは疑問だが、相変わらずのメンバーで巡ったのでここに記録したいと思う。

太鼓谷稲荷①

会社も正月休みに入り、すっかり気の抜けた私の体を引き締めたのは津和野の冷気だった。この日最初に訪れたのは私自身も昔から幾度も参った太鼓谷稲荷神社である。昔から正月の度に訪れ子供心に大きく長く感じていた鳥居の連なる階段を、これほどまでに小さく感じている自分に驚いた。我々の旅(?)らしく、空は相変わらずの曇り空で雪も舞っている。前回のとっとり花回廊で体感したほどでは無いが、やはり山陰の山の冷気はスゴイ…階段を一段一段昇る度に、眼下に広がる津和野の町が白く染まっているのがハッキリ見えた。初詣を済ませ、ようやく正月らしい気分になった所でそのまま帰る我々ではない。

津和野城跡①

この太鼓谷稲荷の近くにはロープウェーで昇る「津和野城跡」があるとメンバーKが即座に検索し、(私自身はそのまま帰っても良かったのだが)当然のように城跡に向かった。雪の影響もあるのできっと運休しているだろうと思われたロープウェーは見事に運転中で、ロープウェーと聞いていたのに実際に我々を山頂まで運ぶのはスキー場などで見かけるリフト(しかも1人乗り)だった…ロープしか共通点は無い。
下手をすると手荷物を落とすどころか私自身も落ちてしまうような、吊られた椅子だけのスッキリとした乗り物は、私を乗せてゆっくりと上がっていった。こういった場合マイナス思考の私は落ちた時を想定しあれこれ思案してしまうのが常で、肝心の景色など見ていない。まあ、白く染まった雑木林以外に見える物は無かったが…

津和野城跡②

どうにか無事にリフトを降り、山頂に立った我々の眼前には白く染まった山々に囲まれた津和野の町全体が一望出来た。私はすぐ近くに城跡があると思っていたが、どうやらここから更に山中を進まなければならないらしい。わざわざ雪の降り積もるような日に山の中を歩くのはマタギか我々のようなバカだけだろうと、雪の山道を進みながら考えた。どうにか城跡の石垣に辿り着いた我々は、石垣がおそろしく滑りやすくなっている事を滑った後で知る事になる。無事に山道を越えて来たのに人工物にトラップがあるとは予想外の展開だった。城跡から見下ろす津和野の町は、まるでモノクロ映画の一場面の如く色の無い世界に変わっていた。この場所に城があった頃、同じ景色を城主はどのような気持ちで眺めたであろうか…そんな悠久の時に想いを馳せるロマンを、私の眼前を右往左往するメンバーKのピンク色のダウンジャケットが台無しにした。

阿東町の夕景

城跡を後にした我々は、(やはり私個人はそのまま帰っても良かったのだが)そのまま山口県阿東町を散策する事にした。阿東町出身で現在も住んでいるメンバーYの案内で、美しい夕景スポットを狙う為だ。徐々に日の暮れていく中、我々は小高い山の中腹に車を停めた。見ると、3度の山陰旅行で望みながら撮れなかった雲海(らしきもの)が出ている…あれほど望んで遠方まで出かけ、撮れなかった雲海(っぽいガス)が眼前に広がっていたのだ。諸行無常の思いを噛み締め、私の2013年はスタートした…


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