花火撮影②「萩・日本海大花火大会」

写真を趣味にする人間が1年の内で最もテンションを上げ、落ち着きを無くす時期こそ夏場ではないかと私は考える。
風景写真を趣味にしている人でも、この時期の花火だけは毎年欠かさず撮るツワモノが多いようだ。前回(花火撮影①)でも記述したように、花火撮影の闘いは場所取りで八割方決すると言っても過言ではないと私は考える。故に、今回の「萩・日本海大花火大会」では事前に地理的な条件と仲間のツワモノ達から情報を入手、花火大会開催の4時間前に勝負をしかけた…

田床山からの眺望①

写真は萩市街を一望出来る田床山からの眺望である。花火大会は写真左側の海岸で実施される。つまり今回は帰りの渋滞も計算に入れ、打ち上げ場所から近い撮影を最初から除外し、萩市街の夜景と花火を望遠で狙う作戦である。萩市街から離れ車で山道を登る事数十分、テレビ塔のある山頂公園には人影も無く、我々の“ツワモノ”チームは勝利を手にしたも同然の心持ちで居た。

必需品

余談だが、前回(花火撮影①)の仙崎花火大会での反省点の1つとして「虫除けスプレーの不携帯」が挙げられる。こんな事は野外撮影の基本的な部分であるが、夏の、緑に囲まれた小高い山の、(吸血する系の)虫たちの気合いをナメていた前回の自分の戒めとして今回はしっかりと準備した。前回撮影中に虫に刺された箇所は強烈なかゆみと共に、炎症となってその痕跡を残した。私の勝手な予想では、“蚊”を超える何かに刺されたのではないかと思う。…単に歳のせいで代謝が悪くなっただけかもしれないが…とにかく文明の利器(虫除けスプレー)を手にした我々は大自然に立ち向かい、ツワモノどもの闘いに八割方勝利した…はずだった。

田床山からの眺望②

この高台に到着した時から海の上を漂っていた雲が、風に乗って山を駆け上がり始めた。数分後、左の写真のように眼前は真っ白になった。海岸どころか数メートル先さえ見えない。虫除けスプレーで浮かれていた私は、大自然の驚異に成す術も無く立ち尽くした。風に乗って向かって来る雲の中の水蒸気が、私の火照った体を湿らせ、天然の“マイナスイオン・ミスト”となって肌を潤した…と、呑気に構えている場合では無くなった。花火大会開催まで1時間半と迫っている。このまま素晴らしい撮影ポイントで雲が晴れるのを待つか、雲が晴れないと判断して急いで海岸まで移動するか、我々に決断が迫られていた…!

花火大会開催の1時間前、我々は萩市街の道の上に居た。結局、移動を決断した。本来はまだ明るい内に撮影場所を決め、準備万端撮影に臨むのが正しい花火撮影であるが、大自然に翻弄された我々に残された選択肢は無いに等しい。今は全力で会場に向かうのみである。

花火大会開催10分前、我々はどうにか萩城跡の石垣の上に三脚を据えた。慌てて準備をする我々に、純粋に花火を見に来た観客や他の“ツワモノ”どもの冷たい視線が容赦なく浴びせられたが、自然との闘いに敗れた我々には花火が打ち上がるより前にこの場所に居れる事自体が奇跡だと感じていた。こうして、今年2度目の闘いは幕を開けた。正直、すでに敗けてる気もするが…


花火撮影にはレリーズもお忘れなく。


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