旅の思い出25「曇り空の長崎ランタンフェスティバル❸」

長崎旅行⑧

本家ちゃんぽんを食べてすっかり満足した我々(というか私)は、再びランタンの揺れる新地中華街に向かった。長崎ランタンフェスティバルは新地中華街を中心に複数の会場でイベントが行われ、この日はメイン会場で中国雑技の演舞が見れると聞き我々は喜び勇んで向かった。

中国雑技①

我々がメイン会場に着いた頃には信じられないくらいの観客で広めの中央広場が埋め尽くされ、日頃人混みに慣れていない田舎者の我々は戸惑うばかりだった。ステージに司会者が出てくる頃には立ち見も含めて会場は人の頭で埋め尽くされていた。司会と一緒に舞台に上がった座長らしい中国人がカタコトの日本語で「良かったと感じたら、好(ハオ)!と声を掛けてあげてください。」と語った。演者のテンションを考えると当然だろうと思ったが、私は中国雑技を動画で記録するつもりだったので私が「好(ハオ)!」と叫ぶと私の動画に私の間抜けな「好(ハオ)!」が残ってしまう事になるので心の中で「大変申し訳ないが断る」と呟いた。

中国雑技②

演舞が始まり、観客は一様に「おー」とか「わー」とか感嘆の声を上げはしたが、それも群衆のあちらこちらから時折上がるだけで会場を埋め尽くす人々からの「好(ハオ)!」は中々上がらない。演舞の途中で座長が念を押すように「良かったと感じたら、好(ハオ)!…」と繰り返した。私は舞台上で繰り広げられる肉体技よりもむしろ観客の反応の悪さの方が気になって仕方なかった。
そんな微妙な空気を打ち破るように最前列に座る1人のオバちゃんが「良かった、好(ハオ)!」と叫び始めた。率先して大声を出すその根性には個人的に感動したが、そもそも「好(ハオ)!」が「良かった!」という意味なのだから「良かった、好(ハオ)!」の「良かった」は余計である。おそらく演者達は日本語を理解する者が少ないからこそ「好(ハオ)!」と中国語で言って欲しかったのに「良かった、好(ハオ)!」と叫ばれては演者達も「?」となってしまうだろう。今度はオバちゃんのシャウトが気になって撮影に集中出来なくなってしまった。

ランタンと路面電車

観客の反応は(1人を除いて)微妙なままだったが、我々は中国雑技の撮影に満足してメイン会場を後にした。天気は相変わらず曇り空のままだったが、少し暗い中華街にランタンの灯りが揺れる様は感動的だった。我々は夜になるのを待って商店街を中心に町を歩き回った。中華街を外れたアーケードにもランタンが飾られ、この街全体でランタンフェスティバルをもり立てている事が良く分かった。アーケードが切れる道路には車道の真ん中に路面電車が走る線路が敷かれていた。ふと横を見るとまさに駅に滑り込む路面電車が見えた。我々のスイッチがONになった。我々は右から左から行き交う路面電車を激写するべく横断歩道前でカメラを構えた。…不思議なモノで撮影に集中している時には周囲の目が気にならなくなるものだが、路面電車が通る度に横断歩道を右往左往する我々の姿は鉄道オタクにしか見えなかった事だろう。今にして思えば、当時の我々の真剣な表情も客観的にはかっこ悪い気がする…
再び雨の気配を感じながら、我々の長崎ランタンフェスティバルは二夜目を迎えた…


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