旅の思い出27「夜明けの九十九島」

長崎旅行⑩

前の夜に幻想的なランタンと「カップル・スナイパー」に翻弄された我々(というか私とメンバーY)は、夜の内に長崎市内から佐世保市に入っていた。
いつもの通り夜明け前始動した我々は、我々が泊まる宿にしては珍しくまともなビジネスホテルを、ほんの数時間の滞在で後にする事になった。

九十九島の朝

まだ暗い山道を登り、我々は九十九島を見渡せる石岳展望台に向かった。まだ明けきらない空に昨日までの雲はなく、相変わらず最終日にだけ良い天気になりそうな気配である。2月の夜明け前だけあって小高い山の空気は冷たかったが、12月の山陰の寒さを体験した我々はむしろ暖かくさえ感じていた。聞けば、この展望台から見る九十九島の景色はトム・クルーズ主演の「ラストサムライ」にも使われたとかで、我々の期待も高まった。頂上の展望台に登ると佐世保の町の灯りが入り組んだ入り江の中に浮かび上がってきた。造船の町らしく、夜にも消える事の無い灯りが海面に流れる景色はただただ美しい。日が昇り始め、九十九島の島々が朝日に照らし出されると、空の青さを映すように静かな水面は青く染まり我々は長崎に来て初めて見る青空に(いろんな意味で)涙しそうになっていた。今回もまた雨に翻弄された旅となったが、今回もまた最終日に(だけ)青空を拝む事が出来た。我々はいつもの通り、複雑な想いで展望台を後にした。この日は旅の最終日だったので当然山口に帰らなければならなかったが、いつもの事だがこのまま真っ直ぐ帰る我々では無かった。

森きららの動物達

石岳展望台のすぐ麓には「九十九島動植物園・森きらら」という施設があり、まずはそこに立ち寄る事にした。何分朝が早かったので、開園まで少し待って門が開く同時に入園した…まるで熱烈なファンのようだ。振り返ると、これまで早朝に施設に押し掛け店員を驚かせた事が何度もあったように思う。その都度、眠い頭で「引かれてるな〜」とぼんやり考えていた事を思い出す。無論今回も同じだが、もはや引かれる事に慣れてしまっている自分に驚いた。朝が早いという事もあってか鳥達以外の動物にやる気は感じなかったが、我々は久しぶりに見る青空の元撮影が出来る喜びを噛み締めていた。最終日とは言え、青空に恵まれた1日は始まったばかりだった…


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