旅の思い出28「海辺のレモンステーキ」

長崎旅行⑪

活動的とは言えない朝の動物達を見終えた我々は森きららを後にした。九十九島には森きららの他に「海きらら」という水族館もあるらしく、水族館好きな我々としては当然のように立ち寄った。今回は帰り道とはいえ、時間は充分にある。第3回山陰旅行のアクアス(旅の思い出16)のように閉館時間に焦る必要も無い。

名物・レモンステーキ

我々はいつものように夜明け前から始動し、ロクに食事を摂っていない。海きららを堪能する前にまず腹ごしらえをする事にした。
グルメにはあまり興味を示さないメンバーKの情報では、もはや全国的に名前を知られた「佐世保バーガー」の他に「レモンステーキ」なる佐世保のご当地グルメがあるらしい。普段は主食がお菓子なメンバーKは牛肉だけには俊敏に反応する(文字通り)肉食系で、珍しく彼女が率先して店に入った。私としても非常に興味深く楽しみにしていたのだが、運ばれてきた料理は薄切り肉にレモンの輪切りが乗ったシンプルなものだった。私は「まあ、そんなモノだろう」と思いながら付属のタレをかけた途端に私の目の前の鉄板は活火山の如く蒸気を発した。タレは醤油ベースで、レモン汁も相まって牛肉をサッパリした後味にしている。しかし鉄板が溶岩の如く熱せられているので、急いで食べないと肉に火が通り過ぎてしまう。私は、特に良い牛肉に関しては血も滴るようなレアで食べる事を好むタチなので慌てて肉を頬張った。ふと前を見ると他のメンバー2人が激しく蒸気を上げる鉄板をただ眺めている…2人とも猫舌なのだ。
以前から思っていた事だが、猫舌の人は何かと損をしている事が多いように(個人的に)感じる。例えばアツアツのたこ焼きなどは猫舌の人間にとって“天敵”に他ならないと考えられるが、私に言わせればアツアツのたこ焼きは少々口の中を火傷しようと熱い内に食べるべきだと思うし、アツアツのたこ焼きを冷めるまで待って食べるなど言語道断だと云いたい。
シュウシュウ音を立てるレモンステーキをじっと見つめる2人を眺めながら、私は「人生の半分ぐらいは損してるな」と考えた(というか2人に告げた)。
鉄板に残ったタレをご飯にまぶして食べるのが佐世保流という話からも、この料理がご飯との相性が抜群である事は言うまでもない。私は瞬く間に完食し、ようやく少しづつ肉をつまみ始めた2人を面白く観察した。
時間はまだ昼過ぎ…我々の旅にしては珍しくゆったりとした時間が流れた…


関連記事

Categories

Instagram