旅の思い出37「新たな島・豊島へ」

瀬戸内国際芸術祭⑧

ハードな1日を経て、疲れ果て爆睡した私を叩き起こしたのはキジの鳴き声と、朝から向島集会所の周りを歩き回るメンバーKの足音だった。逆に、他に何の音もしない静かな向島には、十数人のお年寄りとよっちゃんしか住んでいないそうだ。朝から歩き回って写真を撮っていたメンバーKによると、キジの鳴き声だと思っていたのはインコの声で同じ檻の中に飼われているキジの鳴きまねを延々としていたそうだ…実にどうでもよい話だ。
直島の港まで送ってもらった我々は、よっちゃんに別れを告げ直島にも別れを告げる事になった。次に向かうのは豊島という島だ。この島へは高速艇が出ているらしく、我々は再び直島の宮浦港にバスで向かう事にした。バス停でバスを待っていると、さっき別れを告げたよっちゃんが我々の目の前を颯爽と走り去った。外へ出るにはあまりにもラフな格好だな〜と思っていたら、日課のランニング・スタイルだったようだ…つくづく不思議な青年である。
再び直島の宮浦港に着いた我々はバスを降りたのだが、先頭に立ってバスを降りたメンバーKがバスの最後のステップでつまずいて両膝を地面に叩き付けたそうだ。後ろに居たメンバーYの話によると、突然メンバーKの姿が消えたかと思うと地面にニーパッドを喰らわす彼女の姿が見えたそうだ。我々メンバーは、メンバーKの体が人類の域を超えた頑丈さを保持している事を知っていたので彼女の膝の心配はしなかったが、むしろ通りかかった外国客のカップルが驚いて駆けつけたそうだ(私はむしろアスファルトが割れていないか心配だった)。この後、豊島へ向かう高速艇が出航する時間を見誤っていた我々が高速艇乗り場へダッシュした際も、誰よりも速く走っていた事からメンバーKの膝は鋼鉄に匹敵する強度を持っていると推測される。
昨日の天気とは打って変わって薄曇りの天気の中、海は霧に包まれてむしろ幻想的でさえあった。そんな白い空気を切り裂くように高速艇は豊島に向かった。
豊島の港に着くと、すぐに我々はガイドブックに従ってレンタサイクルを借りる事にした。この島ではアップダウンの激しい道が多いのでシャトルバスかレンタサイクルが有効なようだ。貧乏ケチケチ旅行を信条とする我々は、ここで電動アシスト付きの自転車にするか普通の自転車にするか暫し悩む事になる…実に下らない事だが…


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