写真ツワモノ道①

①ミサゴ編

以前から私のブログの中では、写真を趣味とし有り余る時間を一瞬のシャッターチャンスの為に費やす人々を尊敬(とやや呆れた感)の念を込めて「ツワモノ達」と呼んできた。

ツワモノ達①

このツワモノは、強者(つわもの)の事であり、また、兵(つわもの)の意味も含んでいる。私の中では写真を趣味にする人々の、被写体と対峙する姿勢がある種の“武士道”的なアプローチと重なって見えてしまうトコロがあって(個人的に)面白い。
去年、防府花火大会前に撮影したアオバズクに群がるツワモノ達にしてもそうだが、彼等には独自のネットワークがあり主にネイチャー系(野鳥や動物を主な被写体にするツワモノ達)のツワモノにはネイチャー系の連絡網(?)があり、1人が新しい情報を仕入れるとすぐに連絡が廻るシステムが構築されているようである。私が今回「ミサゴ」について知ったのは、

ツワモノ達②

去年アオバズクについての情報をくれたネイチャー系のツワモノ・M氏からの口コミ情報からだった。
そもそもM氏と初めて出会ったのも、我々のグループ展「雨旅」に何気なく立ち寄った氏との世間話がきっかけだった。聞けばM氏は婚礼業界のカメラマンとして永年務めた大ベテランで、我々ブライダルフォトグラファーの大先輩に当たるオジさん

主役のミサゴ

(大変に失礼だが愛情を込めて)だった。
そんな縁で我々“雨旅”メンバーには時折野鳥の情報をくれるM氏から、今回は山口市内の某所に猛禽類の近縁(らしい)のミサゴという鳥が現れて獲物(魚)を獲っていると聞き、私とツワモノ仲間で向かう事にした。私は正直なところ、ミサゴという鳥にさほど興味を持てなかったが、一羽の鳥に群がるいい歳のオジさん達が右往左往する

ツワモノ達③

姿を想像し、むしろそちらに興味をそそられて現場を訪れてみる事にした。事前にM氏から場所の説明を受けていたのだが、説明が曖昧だった為現場が分かるかが不安だったが、「群がるカメラマンがおるからすぐ分かる」という言葉を信じて現場に車を停めた。
車から歩き出してすぐに現場は確認出来た。果たして説明通りの光景が我々の眼前に広がっていた。想像していた程の人数は居なかったが、M氏を始めとした“猛者”達がそこに居た…!
春の温かな日差しの中、くつろぎながらも神経は集中させたツワモノ達は後から来た我々を暖かく迎え入れてくれた。
中には小学生のツワモノが居て私を驚かせた。

ホバリングするミサゴ

聞けば少年は「日本野鳥の会」に入会する程に野鳥を愛し、高齢化が進むツワモノの中にあって抜群の目の良さを武器にお目当ての野鳥を誰よりも先に見つけるエースとして、ツワモノ達からも可愛がられていた…将来が楽しみな少年である。
この河川敷に集うツワモノ達の狙いは無論ミサゴだが、この鳥は魚を捕食する為に水中に飛び込む習性があるそうで、ツワモノ達はこの捕食の瞬間を写真に焼き付ける為に彼等の望遠レンズは常に川面に向けられている。皆、ミサゴが川に飛び込んで魚を捕らえる一瞬の為に半日以上を費やしているのだ。
少年がいち早くミサゴを見つけるとツワモノ達は色めき立ち、皆上空をホバリングするミサゴに振り回されてしまう。私もせっかく来たのだからと上空にレンズを向けたが、私にしてみれば望遠レンズを空に向けて右往左往するオジさん達の方が何倍も面白く感じてしまう。
私が現場に居る間、ミサゴが川に飛び込む事は無かったが、私は何故か満たされた心持ちで居た。私の以前からの仮説通り、山口県には写真を趣味にする“ツワモノ”が大勢居る…その事が何故だか嬉しかった。
ミサゴには弄ばれたようだが、私は晴れやかな気持ちで家路に着いた…
あの現場に居たツワモノ達もきっと同じ気持ちなのだろう。
そして彼等は明日も現場に向かうのだろう…


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