写真ツワモノ道⑤

⑤第47回錦川水の祭典花火大会編

以前から私のブログの中では、写真を趣味とし有り余る時間を一瞬のシャッターチャンスの為に費やす人々を尊敬(とやや呆れた感)の念を込めて「ツワモノ達」と呼んできた。

今回は私自身が“ツワモノ”となって他のツワモノ達と戦わなければならない…花火大会の季節が再びやってきたのだ。今年は仕事の都合でなかなか参戦が難しい上に台風の影響で順延になる大会が多く、ますますスケジュールが合わせにくくなっている…今年の闘いは厳しくなりそうな気配である。

岩国・錦帯橋花火大会①2014年8月30日、(ほぼ無理矢理)仕事を休んだ私は(恐らく)今年最後になるであろう花火大会に挑むべく、山口県の岩国市に向けて車を走らせていた。今回狙うのは「第47回錦川水の祭典花火大会」、山口県が世界遺産入りをめざしている錦帯橋の背後に打ち上がる花火大会なのである。
私はこの錦川水の祭典花火大会に参戦するのは初めてで、我々メンバーが初参戦する花火大会では我々の周囲でトラブルが起こるという“負のジンクス”があり、私の胸中は不安でいっぱいであった。しかも岩国市の公式HPでは“当日はお車でのご来場はご遠慮下さい。会場周辺は全面駐車禁止です。”の文字が太字で記載され、車で向かう私の不安を一層煽った。

岩国・錦帯橋花火大会②岩国市内で昼食を済ませ午後1時台に現場入りした我々は、道路上に立てられた“祭専用P”の文字にホッと胸を撫で下ろしたが、駐車場に向かう際に通りかかった橋の上に三脚や脚立が括り付けられているのを見つけ、戦慄した。花火大会まで6時間以上あるにもかかわらず、「果たして三脚を据える場所は残っているのか?」の文字が私の脳裏で繰り返し浮かんでは消えた…改めて“ツワモノ達”の根性と気合いを見せつけられた気がした…私も他人の事は云えないが…
駐車場に車を停め、急ぎ足で錦帯橋を見渡せる橋の上に向かった我々は、橋の欄干に三脚や脚立がヒモで括り付けられたシュールな光景を目撃した。というのもこの橋の歩行者道は決して幅に余裕が有るとは云えず、

岩国・錦帯橋花火大会③早々に三脚や脚立を据えておけば通行の邪魔になるので祭り開催者側の配慮で“通行の邪魔になる三脚等の設置は禁止”の張り紙がされているのだ。
そこで一計を案じたツワモノが始めたのが三脚を畳んだ状態で括り付けるか、名前付きの札をぶらさげたヒモを欄干に括り付けて“場所取り”をアピールする作戦だ。我々はツワモノ達の“意地”のようなモノを感じた。仕方なく錦帯橋を見渡せる公園の、河の際の断崖絶壁の上に三脚を据えた我々は、5時間以上をただ漠然と過ごした。
花火大会開始直前、ふと錦帯橋を見渡せる橋の方に目をやると橋の上と下でツワモノ達の“群れ”が形成されているのが見えた。花火大会に参戦する度に目にした光景だが、「今年もこれで見納めか」などと考えていると

岩国・錦帯橋花火大会④幾分寂しい気持ちもなってくるから不思議だ(写真②)。
さて、肝心の花火大会だが、これまで私が参戦した他の花火大会と大きく違うのはやはり“プログラム制”で進行する事だろう。この花火大会は10以上のプラグラムで構成されており、その都度スポンサーの紹介をアナウンスする。また、プログラムの合間に花火の煙を逃がす為の“間”を置いてくれるので、私のように写真と動画を撮影するツワモノにとっては設定を見直す心の余裕が出来て有り難い。ただ花火を見物に来ていたらイライラするかもしれないが、我々ツワモノにはこの“間”が命なのだ。
花火そのものは他の花火大会と比べても、数発を連続で打ち上げるスタイルで、しかもそれぞれの花火に“粘り”が無い、つまりパッと弾けて

岩国・錦帯橋花火大会⑤パッと消える印象だ。私は動画撮影が中心だったが、この花火の仕様は撮っていてなかなか面白く“締め”の連発も見応え充分だった。
プログラムの“間”のお蔭で心静かに撮影出来た我々は、帰りの混雑の事を考慮して花火大会終了直後に機材を抱えて車に向かう計画だった。そして計画通り三脚にカメラを付けたまま、我々は花火直後の会場を早足で通り抜けた。そして車に乗り込んだ我々は、予想通り帰りの混雑に巻き込まれた。駐車場から出ようとする車が私の車の前後で埋まっていて我々の車も身動き出来ないのだ…早足の意味があまり無かった気もするが、最悪の予想(1時間以上)よりも早く駐車場を抜け出せた我々は、結局大きなトラブルも無く「第47回錦川水の祭典花火大会」を終える事が出来た…

…と思っていた。自宅で写真をパソコンに取り込むまでは。
自宅のパソコンで改めて花火の写真を見た私は驚愕した。写真の中に見事な“ゴースト”が発生しているのだ(写真⑤の白丸)…!「ゴースト」とは、レンズの中で強い光が乱反射して光が像となって写り込んでしまう現象で、私が使用したような現代のレンズではこのゴーストやフレアを軽減する為にレンズ表面に“マルチコート”と呼ばれる金属膜のコーティングが施されているのが当たり前であるが、このコーティングでも100%フレアを防げる訳ではない。まして、花火撮影のように長時間シャッターを開いて多くの光を取り込む撮影ではフレアを防ぐのは難しいだろう。写真を見ているとこのゴーストを生み出しているのは錦帯橋を照らすライトが原因だと分かった。しかもゴーストが顕著に発生しているのはズームを最広角にしている時のみのようだ。
私は現場でこの事実に気付けなかった事に落ち込み、改めて我々の“負のジンクス”を思い知らされてしまった…
そして、来年に向けてリベンジを誓うのであった…
「写真ツワモノ道」は、まさにイバラの道である…


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