オールドレンズ沼への道29

番外編⑦

ここ最近20年ぶりに再熱している8mmフィルムの撮影についての奮闘記…その5回目(完結編)は、いよいよ撮影から現像、そして映写までをお送りします…

前回散々迷走した挙句に(やっと)手に入れた白黒リバーサルフィルムを実際に撮影してみようと考えましたが、これまでお伝えした通りもはや“貴重品”になってしまった8mmフィルムを無意味に消費するのは勿体ないと思い、今回の撮影にはモデルを起用して(私にとっては)久しぶりの自分の作品として撮影することにしました。
ロケ地には、個人的に思い入れのある山口県の旧県庁と旧議事堂施設である山口県政資料館を選びました。この山口県政資料館は、映画「黒執事」のロケも行われたそうで、個人的にはその“レトロ・モダン”な雰囲気が気に入っているのでプロの“映画屋”さんに選ばれた事が嬉しいですし、この場所を選んだ事に物凄く共感できます。

しかし以前にもお伝えした通り、私が撮影に用いるNikon 8x Super Zoomの露出には若干の不安要素があり、カメラがはじき出す絞り値はボタン電池の電圧のせいで100%信用できません。
なので今回は8mmフィルムのみで撮影するのではなく、私の愛機Panasonic GH2と同時に記録する事にしました。GH2には私のオールドレンズ・コレクションの中からポートレイトに適している(と個人的に思っている) P.ANGENIEUX 28mmF3.5を使用しました。この世界的に有名な“軟調”レンズと大正時代に建てられた建物の雰囲気がマッチするだろうと感じたからです。このGH2の感度をフィルムと同じ「200」に設定し、シャッタースピードをNikon 8x Super Zoomと大体揃えれば自ずと(本当に大雑把な)絞り値が出るという寸法です。レンズの明るさも違いますし、写真を撮る目的のカメラと動画フィルムを撮る目的のカメラではシャッターの構造から違うので厳密な値は望めませんが、“大まか”な値が分かれば後は現場で微調整…と、まあ、エラくいい加減な算段で実際に撮影は行われました。

現像後の白黒フィルムある程度の“確信”を持って臨んだ撮影でしたが、やはり露出の面で不安が全くないとは言えず、フィルムを購入したレトロエンタープライズから現像済みフィルムが帰ってくるまでは「フィルムが真っ黒で人物の顔も見えない」悪夢が常に私の頭の中で浮かんでは消えてました。
で、あるが故に、現像から帰ってきたフィルムを光にかざし、人物の像を確認した時の感動は忘れられません…

こうして、私とスーパー8との“長い闘い”は一旦幕を降ろしました。
しかし私が落札したNikon 8x Super Zoomでフィルム撮影の一通りの“流れ”を20年振りに辿る事が出来たのは、私にとって大きな収穫でした。
現像を終えたフィルムを映写しながら、次はもっと多くのフィルムでもっと長い尺の“映画”を撮ってみたい野望がふつふつと湧き上がりました…
時代の流れには逆行している気もしますが、(私のような素人が撮った映像でも)やはりフィルムで撮った映像はたちどころに“映画”になる気がしますし、今後ともフィルムという「人類の宝」を残していって欲しいと心から願います…


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