Artの在る風景 #9

#9. おかもとしんじ 絵画展「花戸」

今回ご紹介する展覧会は山口県岩国市にある画廊doorさんで開催中の、独特なタッチの人物画展・おかもとしんじさんの「花戸」をご紹介します。

作家のおかもとしんじ さんまずこの展覧会のタイトルである「花戸」ですが、読み方が2種類あって“はなど”または“かこ”と読むそうで、意味は植木職人植木屋を表す古い言葉だそうです。
そもそも個展のタイトルの読み方が数種類ある時点で変わっていますが、それ以上に古いピンナップ写真を絵画に起こしたような人物画を描くおかもとさんが、人物画に加えて“花”をもう一つのモチーフに選ぶこと自体私には意外に思えました…そんなに長い時間おかもとさんの制作を追い続けたワケでもありませんが…

会場の画廊doorさんも取材させていただくのも今回が2回目で、このブログシリーズの第4回・中土井律子さんの絵画展以来でした。この独特の“白い”空間と、“離れ”のような、“隠れ家”のような2Fの小さなスペースが見事に外界と遮断してくれるようで心地よいです…が、同じ山口県に住みながら岩国市はほとんど広島県との県境にあるので訪ねるだけでちょっとした“旅行”になってしまいます。それもまた、愉しみの一つであはありますが…Artとは全く関係ない話ですが、岩国に行ったら、食事はいろり山賊で“山賊焼き”を豪快に頬張ると決めているので、むしろ昼食が楽しみで行っているところもあります…

おかもとしんじ「花戸」①以前に宇部市の井筒屋ギャラリースペースで開催された「タシカ アノ ダレカ」で初めておかもとさんの絵画を生で見ましたが、その時から感じていた独自の色使いから生まれる“ノスタルジック感”と、敢えて顔をハッキリ描かないことで生まれる“匿名性”はおかもとさん独特のものだと思います。
おかもとさん曰く、「どこか記憶に焼き付いている人物の瞬間のフォルムを描いています」と語っていらっしゃいます。
“郷愁”というと大袈裟かもしれませんが、おかもとさんの絵画からは、「遠い昔に生きた人を懐かしむ」感覚を感じてしまいます。それはおかもとさん自身が「今は中間色を使う方が心地いい」とおっしゃっているように、どこか古く色褪せた写真を見ているようなハッキリとした原色を使わない色使いためかもしれません。
“特定の誰か”ではないのに、不思議と自分自身が昔知っていた人のように感じて懐かしさと切なさを感じてしまいます…そんな風に感じるのは私だけかもしれませんが…

そんな独自の人物画に(文字通り)“花”を添えて一段とポップになった今回の展覧会、おかもとさん自身、作風や好みがその都度変化していると語っていらっしゃいます。これまで3年に渡り「人物」をモチーフに絵を描いてこられたおかもとさんの、これからの表現が楽しみです。

ポップでいて、ノスタルジック誰かのようで、誰でもない独特の人物画を一度ご覧いただきたいと思います。
山口県内はもとより、県外から旅行がてらに画廊doorを訪れてみても良いのではないでしょうか…?

  • おかもとしんじ「花戸」②
  • おかもとしんじ「花戸」③
  • おかもとしんじ「花戸」④
  • おかもとしんじ「花戸」⑤
  • おかもとしんじ「花戸」⑥
  • おかもとしんじ「花戸」⑦

開催期間:2015年7月27日(月)〜2015年8月1日(土) 10:00〜17:00
会場:画廊door(山口県岩国市山手町4-2-54) Tel:0827-24-1560


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