Artの在る風景 #12

#12. 小田善郎 銅版画展

前回ご紹介した、20代前半の若い二人による(ある意味)アナーキーな展覧会とは打って変わって、今回は住宅街にひっそりと佇む静かなギャラリーで開催された、“静か”な展覧会をご紹介します。

会場のAtelier SERENO-アテリエ セレーノ-さんにお邪魔させていただくのは今回で2回目で、#10 ハナブサ・リュウ写真展 の際に取材で訪れています。湯田温泉駅にほど近い住宅街の中に静かに佇むマンションの1階部分を改装したギャラリーで、小じんまりとした空間で個人的には好きなギャラリーの一つです。

小田善郎さんそんなAtelier SERENO-アテリエ セレーノ-さんで開催中の小田善郎 銅版画展ですが、最初に“静か”と書きましたが、銅版画によるモノクロームの作品が木漏れ日の差し込むギャラリーに並ぶ様はまさに“静寂”という言葉が相応しいと感じました…が、各作品を実際に眺めていると画面からは“根源から湧き上がるような力強さ”をひしひしと感じます。

小田さんと云えば2014年の山口県美展で大賞を受賞した「顔遊び1」で有名ですが、現在64歳になられるとは信じられない、若くユニークな画風の油彩画を日々生み出していらっしゃいます。
実際にお会いしてお話をさせていただくまでは、

小田善郎 銅版画展①気難しい変わり者のおじいさんかもしれない…と内心怯えていましたが、定年退職されるまで中学校の美術教諭を務めておられただけあって、穏やかで、それでいてしっかりと芯のある声の、まごう事なき“美術の先生”でした。今回の銅版画展では、過去に油彩画で描かれた作品を銅版画によってモノクロームの世界に還元し、新たな作品として生まれ変わらせていらっしゃいます。私自身、過去に小田さんの油彩画を美術館等で拝見した事はありましたが、銅版画独自の細かい描線で描かれた色の無い世界は、“小田ワールド”のディフォルメされた子供たちにこれまでに無い“静謐さ”と相反する“力強さ”を授けているように感じました。

ギャラリーの別室では一部油彩画も展示していらっしゃいますので、銅版画の白黒の世界と見比べていただいても面白いかもしれません。
是非、この機会に、色の無い“小田ワールド”を体験してはいかでしょう…

  • 小田善郎 銅版画展②
  • 小田善郎 銅版画展③
  • 小田善郎 銅版画展④
  • 小田善郎 銅版画展⑤
  • 小田善郎 銅版画展⑥
  • 小田善郎 銅版画展⑦

開催期間:2015年11月20日(金)〜2015年11月29日(日) 10:30〜18:00
会場:Atelier SERENO-アテリエ セレーノ-(山口県山口市下市町8-17-1-A101) Tel:083-923-4141


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